近年、高騰化している電気代。「このままもっと高くなったらどうしよう?」と悩む方も多いのではないでしょうか?
電気代だけでなく、食品なども値上げラッシュの世の中。家計簿を見ると不安になってしまいますよね。
そういった方にはぜひ、ZEHを検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、
「ZEHってなに?聞いたことがない!」
「調べてみたけど難しくってよく分からない……」
と悩む方もいるのではないでしょうか。
今回はZEHで電気代をゼロにするまでに、始めるべきことについて解説します。
節約の手助けになっていただけますと何よりです。
そもそもZEHとは?
ZEH(ゼッチ)とは、「Zero Energy House(ゼロ・エネルギー・ハウス)」の頭文字から取った略称です。「住宅内で使う1次エネルギー消費量」よりも「ご自宅で作られるエネルギー量」が大きいか、正味ゼロ以下になる住宅を意味します。
高効率的な設備システムを取り入れて室内の環境を保ちながら、エネファームや太陽光発電などでエネルギーを作って、年間の消費エネルギーをゼロにする取り組みです。
ちなみに「1次エネルギー消費量」とは、照明や給湯、エアコン、24時間稼働する換気などを動かすエネルギーを意味します。決して、一般家電品(洗濯機、冷蔵庫など)を動かすのに必要なエネルギーのことを指していません。
夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間を保ちながら、住まいの断熱化と高効率な設備によってエネルギーを作り出すことができます。
また、作りだしたエネルギーが余った場合は、蓄電池に蓄えたり売ったりすることも可能です。
ZEHに関する国の取り組み
日本でのZEHの推進は、2010年から行われたエネルギー基本計画の見直しに向けた検討から始まっています。
2012年から経済産業省によって支援事業が始まっていましたが、当初は実績としても、年間400件余りしかありませんでした。そんな状況でしたが、ZEHロードマップフォローアップ委員会の働きによって、2020年度ではZEHの普及が約 6.6 万戸、累積の供給実績で約27 万戸にまで達成できるようになりました。
また政府は、今後の目標として「2030年度以降に新しく建てられる住宅は、ZEH住宅を標準とする」「新築の一軒家の60%に太陽光発電設備を入れる」と掲げています。
2050 年のカーボンニュートラルの実現へ向けて、様々な普及活動が行われています。
ZEHの基準とは? 導入すべき設備について
ZEHを満たすには、様々な条件をクリアしなければいけません。
ZEHロードマップ検討委員会では、ZEHの基準を設けています。下記の基準を「全て」満たしている住宅が、ZEHとしてみなされます。
(1)ZEH強化外皮基準(1~8地域の建築物エネルギー消費性能基準を満たした上で、UA値が、1、2地域:0.4W/㎡K相当以下、3地域:0.5W/㎡K相当以下、4~7地域:0.6W/㎡K相当以下)を満たすこと(ηAC値、気密・防露性能の確保などにも留意)。
(2)再生可能エネルギーを除き、基準1次エネルギー消費量から20%以上の1次エネルギー消費量が削減されている。
(3)再生可能エネルギーが導入されている(容量不問)。
(4)再生可能エネルギーを加えて、基準1次エネルギー消費量から100%の1次エネルギー消費量が削減されている。
出典:ZEHの判断基準
しかし、これだけを読んでもイメージが湧きにくいかと思います。
下記の項目で、さらに分かりやすく解説しています。
断熱性能に優れている
断熱性能に優れていると、夏の熱い外気が家の中へ伝わってきません。
また冬の室内の温かい空気も、外へ出なくなります。夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができますので、冷暖房の節約にもつながります。
断熱性能は「UA値(外皮平均熱貫流率)」という指標で定められます。
このUA値を0.4〜0.6(W/㎡K)以下にしないと、ZEH住宅とみなされません。
UA値を満たすには、断熱性能の高いガラスや樹脂サッシ、太陽光発電などのシステムが必要になります。
断熱材は基本的に、グラスウールやポリスチレンフォームが使われます。
高い省エネ性能を備えている
高い省エネ性能を備えている設備を取り入れ、1次エネルギーの消費量を従来よりも20%以上削減する必要があります。
下記のような機器を導入すると、より1次エネルギー消費量が削減しやすくなります。
・LED照明
・1次エネルギー削減率が高い高効率給湯設備(エコキュート・エネファームなど)
・高効率エアコン
・高効率換気システム
・HEMS(エネルギーの使用状況)がチェックできる機器
エネルギーを作り出すことができる
太陽光発電や家庭用蓄電池などを導入し、エネルギーを作り出す必要があります。
日ごろから電気を蓄えておけば、災害時にも役立ちます。
ZEHで電気代をゼロにするには、まずは補助金を申請しましょう!
ZEH住宅を建てるとなると、かなりお金がかかるかと思います。国からの補助金を申請しましょう。
またZEH住宅は大きく分けると、3種類あります。それぞれ補助金額や補助事業も異なります。
補助金額一覧(令和5年現在)
ZEHの種類 | 内容・基準 | 事業名称 | 補助金額 |
ZEH | 強化外皮基準を満たしていて、1次エネルギー消費量が20%以上削減できる。
再生可能エネルギーなどを加えて、基準1次エネルギー消費量から1次エネルギー消費量が100%以上削減できる。 |
こどもエコすまい支援事業(子育て世代・若者夫婦世帯を対象) | 100万円/戸 |
地域型住宅グリーン化事業 | 上限140万円/戸 | ||
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 化等支援事業 | 定額55万円/戸 | ||
ZEH+ | ZEHの基準を満たしていて、かつ1次エネルギー消費量が20%以上削減できる。
定められている高性能機器を2つ以上導入している。 |
定額100万円/戸 | |
次世代ZEH+ | ZEHの基準を満たしていて、かつ1次エネルギー消費量が25%以上削減できる。
ZEH+と同じように、定められている高性能機器を2つ以上導入している。 上記の2つ以上の高性能機器に加えて、また別の設備を1つ以上導入しなければならない。 |
次世代ZEH+実証事業 | 定額100万円/戸 |
また上記の表にまとめているのZEH補助金は、あくまで戸建て向けのものです。マンションやビル向けの補助金制度も作られています。
また寒冷地・低日射・雪が多い地域にZEH住宅を建てる場合は「Nearly ZEH(年間の1次エネルギー消費量を75%以上削減できる住宅)」で申請することも可能です。
さらに、太陽光発電などでエネルギーを作るのが難しい都市部狭小部や、多雪地域などにZEH住宅を建てる場合は「ZEH Oritented(再生可能エネルギーを加味しない)」として申請できます。
ZEHの補助金を申請する流れ
ZEH補助金を申請するには、下記の流れで進める必要があります。
①「ZEHビルダー」に登録しているハウスメーカーを探す
②ハウスメーカーに相談する、比較・検討する
③住宅プランを決定する
④ZEH補助金を申請する
⑤補助金の審査
⑥着工
⑦事業完了・補助金の実績報告書を提出
⑧入金
最近ではZEHビルダーが、ZEHの補助金申請を代行してくれます。
ご自身で準備する必要はほぼないと思っても良いでしょう。
また、住宅プランの内容は各ハウスメーカーによって異なります。複数の業者に相談し、比較・検討してから決めましょう。
ZEH補助金を申請するのに必要な書類
ZEH補助金を申請するには、下記の必要書類を用意・作成する必要があります。
・交付申請書
・誓約書
・事業概要書
・交付申請額算出表(蓄電池システムを導入しない場合、またはZEH +を申請する場合は不要)
・配置図(A3サイズ)
・設置図(ZEH+のみ)
・本人確認書類の写し(運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証、パスポートなど)
・提出書類内容チェックリスト
また狭小住宅の場合は、下記の書類も追加でそろえましょう。
・平面図(A3サイズ)
・立面図・四面(A3サイズ)
・登記事項証明書の写し
・地積測量図、公図の写し
・都市計画図等
・敷地写真1枚
リースの場合は下記書類も追加してください。
・リース契約書(案)
・リース料金計算書
用意しなければならない書類が多いので、ルールも複雑なので「大変そう……」と思うかもしれません。
しかし近年では、補助金の申請を代行してくれる企業も増えています。書類作業が苦手な方でもご安心ください。
ZEHの家を建てて補助金をもらう際、気を付けた方がいい点
必ず、登録事業者であるハウスメーカーと契約する
補助金制度を利用してZEHを建てる際は、必ずZEHビルダーに依頼しないといけません。
「ZEHビルダー」とは「自社が建てる戸建住宅のうち、「ZEHが占める割合を50%以上にする」事業目標を掲げているハウスメーカーまたは工務店、建築設計事務所、リフォーム業者、建売住宅販売者など」です。
条件を満たして「SII 一般社団法人 環境共創イニシアチブ」に登録されないと、ZEHビルダーにはなれません。
必ず、登録事業者になっているハウスメーカーと契約しましょう。
登録事業者につきましては「ZEHビルダー/プランナー(フェーズ2)一覧検索」から検索できます。
併用できる補助金制度がないかチェックする
「こどもエコすまい支援事業」と「地域型住宅グリーン化事業」は国土交通省が、「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」は環境省の管轄下で実施されている制度です。これらは、国庫補助金を財源にしている制度です。
「少しでも安くZEH住宅にしたい」と思いたくなるかもしれませんが、「国庫補助金を財源としている制度」を複数申請することはできません。
下記の2つでしたら、国庫を財源とするZEH補助金制度と併用できます。
・住宅ローン控除
・自治体独自の補助金制度
お住まいの地域で補助金制度がないか、ぜひチェックしてみましょう。
ただし、市区町村が主体の補助金制度でも、国庫を財源にしている可能性もあります。事前にお住まいの自治体へ問い合わせて確認しましょう。
申請・着工期限が過ぎると補助金が受け取れない
ZEH補助金制度は、必ず期限内に申請しないといけません。制度によって期限は異なるので、事前にチェックしましょう。
また申請期間だけでなく、工事請負や建築着工の期間、事業完了の報告などの期限まで、細かく設定されています。全て期限内に間に合わせないと補助金が手に入りません。
全ての期限をチェックし、予定通りに業務が行われているか、積極的にチェックしましょう。
申請後は設計を変更することができない
ZEH補助金を申請した後に、事前に決めた建築プラン・設計を変えることは原則できません。
ただし、以下のケースでしたら変更できます。
・ZEHからZEH+へ変える(ただしZEHの要件を満たす必要がある)
・やむを得ない理由で、予定していた断熱材などが手に入らなくなった(施工前に「計画変更の相談」をSIIに行う必要がある)
ZEHのメリットとは?
夏は涼しく冬は暖かく過ごせる、ヒートショックの予防にもつながる
ZEH住宅は高断熱・高気密住宅です。断熱性の高い外皮を窓や壁などに使っているので、夏は涼しく、冬は暖かい住宅環境に。部屋と部屋との温度差も小さくなるため、ヒートショックによる心筋梗塞などのリスクも減らせます。
「ヒートショック=高齢者がなるもの」というイメージがありますが、実は若い人にも起こります。「自分はまだ歳じゃないから……」と思わずに、
光熱費が節約できる、電気を売ることができる
高効率エアコンや高断熱浴槽などの設備を取り入れることで、月々の水道代やガス代、電気代などの節約にも繋がります。
太陽光発電を活用すれば、電気を売って収入にすることも可能です。
災害時に使う電力が蓄えられる
災害時でも電気を使って、なるべく安全・安心に過ごしたいですよね。
台風や地震などで停電した時でも、太陽光発電や家庭用蓄電池を活用することで、ストレスなく生活を送ることができます。
まとめ
今回は ZEHで電気代をゼロにする流れについて、そして補助金制度などについて紹介しました。
電気代をはじめ、あらゆるものが値上がりしている昨今。少しでも電気代を安くして快適なおうちを手に入れたいですよね。
リフォーム王国では、ZEHに必要な住宅設備などの選定から施工まで、幅広くサポートしています。
何か分からないことがありましたら、お気軽に当店までご相談ください!
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